2002年10月1日 午後1時配信
東寺の真言七祖像 −弘法大師空海讃−
東寺(教王護国寺)

 龍猛(ナーガールジュナ)、龍智(ナーガボーディ)、金剛智(ヴァジラボーディ)、不空、善無畏(シュバカラシンハ)、一行、恵果は、インドや中国の高僧の名前です。一般の方々には、ほとんど馴染みのない名前ですが、彼らがいなかったら、日本に今日のような大乗仏教や密教はなかったといっても過言ではない人々。真言宗では、これらの7人を「真言七祖」、さらに七祖に空海を加え「真言八祖」と呼んでいます。
 龍猛は2世紀から3世紀の中頃の人物で、大乗経典の注釈書を多く著し、仏教八宗の祖と仰がれています。その弟子・龍智は700歳まで生きたという伝説の人物ですが、7世紀の人物である金剛智は、龍智の弟子だったと伝えられています。金剛智と善無畏はインドから中国(唐)へ密教を伝えた人物で、金剛智は金剛頂系の経典、善無畏は大日経系の経典を漢訳し、それぞれの弟子である不空、一行にその教えを遺しました。これらの密教を遣唐使として日本から来た空海に伝えたのが遷化直前の恵果でした。
 東寺(教王護国寺)宝物館の今秋の特別公開は、この真言七祖と空海にスポットをあて「東寺の真言七祖像 −弘法大師空海讃−」と題した展示を開催しています。東寺に伝わる唐の宮廷画家・李真が描いたという七祖像の箱には「御筆七祖影 七幅」と記されています。東寺で「御筆」とは、いうまでもなく、空海の筆の意味。つまり空海が讃および行状文を書き加えた「七祖像」というわけです。先頃、この「七祖像」の赤外線による撮影が実施され、今までよく見えなかった文字も確認されました。同展では迫力ある肖像画もさることながら、梵字や漢字のさまざまな書体を駆使して讃や行状を書いた空海に注目。その熱い思いがこもった筆致から、空海が一番伝えたかったことが何だったのかを感じ取ってみてください。
ところ 東寺(教王護国寺)宝物館(南区九条)
交通 近鉄京都本線「東寺駅」西へ徒歩約5分
    または、市バス「東寺東門」「東寺南門」
    「九条大宮」それぞれ下車すぐ
     
◎東寺の真言七祖像 −弘法大師空海讃−
11月25日(月)まで 9:00〜16:30まで(入館16:00まで)
大人500円、中学生以下300円

◎東寺宝物館公開文化講座「弘法大師の書をめぐって」
ところ :東寺本坊客殿
とき  :10月14日(月・祝)13:00〜14:30 
受講料 :1000円(拝観料含む)
講師  :現代書家 岡本光平氏
お問合せ:Tel.075-691-3325(要申込・先着順80名)