2002年10月3日 午後9時配信
絞り守護四神絵図
京鹿の子絞館

 風水ブームですっかり有名になった青龍、朱雀、白虎、玄武の風水四神。周の時代の神々がモデルで、これらの四神が四方にあたって国を守るという思想は、古くから日本にも伝わっており、話題のキトラ古墳の壁画にも見られるほか、平安京こと京都の町そのものがこの風水四神の思想によって造営されているのは、ご存知の通りです。
 中京区の「京鹿の子絞館」は、1日体験ができるミュージアムとして知られる絞り染の殿堂。伝統技術を次代に繋ぐため、2ヶ月毎にテーマを替えた京の絞り職人の粋を集めた作品を展示していますが、現在、展示中の「絞り守護四神絵図」が大きな話題となっています。これは、縦2m、横6mの大几帳で、几帳としても、絞り染作品としても、おそらく世界最大といえるもの。屏風画などで知られる「風神」「雷神」を、それぞれ東の青龍、西の白虎に見立て、その間に北の玄武を「水神」、南の朱雀を「火神」としてレイアウトした新しい発想の「四神絵図」は、40人の熟練した職人が1年8ヶ月の歳月を費やして製作した大迫力の作品です。技術的にも20色の染め分け技法を駆使し、絞りの種類も、小帽子絞り、中帽子絞り、大帽子絞り、逆帽子絞り、本疋田絞り、針疋田絞り、針一目絞り、桶絞り、平縫い〆絞り、古代石掛絞りの技法を使用しています。特に「逆帽子絞り」は現在、技術的に緻密さが要求される難しい技術だそうです。
 「いつの日にか、国宝に指定してもらいたいくらい」と話すのは、この作品をプロデュースした同館の吉岡健司館長。「後継者不足や需要減退で存続が危ぶまれている絞りの技術を後世に残すためにも、ひとりでも多くの方にこれらの作品を見て、触れて、『京鹿の子絞』の素晴らしい感動を味わってもらいたい」とおっしゃる通り、これほどまでの貴重品でありながら同館の展示品にはガラス・ケースを設けておられません。ただし、変色を防ぐため長期にわたる連続展示は2ヶ月が限界とのこと。今回の展示は今月末まで。ぜひ、この機会にこの感動を体感してください。
ところ 京鹿の子絞館(中京区油小路御池南入ル)
電話 075-221-4253
HP http://shibori.jp/
交通 地下鉄「二条城前駅」徒歩約5分
     
◎絞り守護四神絵図 展示
10月31日(木)まで 10:00〜21:00(17:00以降は要予約)
入館料:500円