2002年10月10日 午後10時配信
御所人形展
さがの人形の家

 日本人形の原点は、京都にあります。瓦が発展し、素焼きの人形に彩色を施した「伏見人形」は、陶人形のルーツとなりました。また、朱印船がもたらした海外の技術が可動式の木製人形「嵯峨人形」を生み出し、これらが「からくり人形」や、木目込み人形の原点である「加茂人形」などに発展します。「嵯峨人形」は当時の信仰や風俗をリアルに再現した人形でしたが、江戸時代初期頃から、これらの姿を可愛らしくデフォルメしてデザインした人形が京都で盛んに作られるようになりました。頭が大きく丸々と太った三頭身の幼児が、勧進帳や、恵比寿、大黒などの福の神を演じる姿で作られたのが、現在「御所人形」と呼ばれている人形です。
 約20万体の日本人形コレクションを有する人形博物館「さがの人形の家」で、現在「御所人形展」が開催中です。子どもの成長を願い、日々の何気ない童子のしぐさをそのままに作られた人形ですが、無垢であどけなさがただよう中に、驚くばかりの気品と匂うような品格があります。丁寧に彫り上げられた木の人形を胡粉や高価な生地をふんだんに使って仕上げられるこの人形は、御所などに住まう皇族たちの玩具であったことからこの名がついたのですが、「御所人形」と呼ばれるようになったのは明治以降で、それまでは、大名が故郷に持ち帰ったので「土産(おみやげ)人形」、「拝領人形」と呼ばれたり、その艶やかな白い肌から「白肉(しらじし)人形」「白菊(しらぎく)人形、また、大きい頭から「頭大(ずだい)人形」などと、さまざまな呼び方があったそうです。
 御所人形には、その衣装や持ち物に、それぞれの意味や子どもたちへの思いが込められています。同展では、精巧に作られた専用の煙草入れや刀を持つ「金之助」と名づけられ江戸期最高級の抱き人形をはじめ、一見何も持っていないようで、実は後ろ手に本を持っている「本隠し」や、狩野派の絵師が描き上げた屏風がセットとなったもの、細い絹糸を1本1本埋め込んで毛並みを作ったウサギを連れている童子の人形など、実に珍しい御所人形の数々を展観できます。秋の嵯峨野巡りの際には、ぜひ時間を作って訪れていただきたい博物館です。
ところ さがの人形の家(右京区嵯峨鳥居本)
交通 JR山陰本線(嵯峨野線)
    「嵯峨嵐山駅」から徒歩約15分
    京福嵐山線「嵐山駅」から徒歩約15分
    阪急嵐山線「嵐山駅」から徒歩約20分
    京都バス「護法堂弁天前」徒歩約3分
    市バス「釈迦堂前」徒歩約10分
電話 075-882-1421
HP http://www.ningyonoie.jp/
     
◎御所人形展
12月23日(日)まで 9:30〜17:00 (祝日以外の火曜日休館)
一般1000円、中・高生500円、小学生200
 (作務衣を除く、きものでの来館者は半額)