2002年10月18日 午後9時配信
町かどの藝能
演劇塾長田学舎

 江戸時代の京の町の雰囲気と、そこに生きる芸商人(げいあきんど)の大道芸や商売を再現する屋外演劇「町かどの藝能」の公演が、今日18日から演劇塾長田学舎がある上京区の般若林で始まりました。「町かどの藝能」は、日本人の知恵や文化を発掘し追及する演劇活動を続けて昨年50周年を迎えた演劇塾長田学舎の集大成ともいえる公演で、今年で28年目を迎えました。
 演劇といっても、これは舞台で役者が繰り広げるものを客席から観覧するものではありません。舞台となるのは会場全体で、観客が享保10年(1725)の京の町かどにタイムスリップして、約30人の俳優たちが演じる日本全国にその名を知られた芸商人修業処「珠屋」の面々と直接触れ合いながら、ともに丸1日を過ごすというもの。物売りたちと駆け引きを楽しんでいると、広場から客寄せの太鼓の音が響いてきます。そこは、商人たちが芸人としての技を披露する舞台で、「阿呆陀羅経」「南京玉すだれ」「けん玉」など、さまざまな大道芸が1日3回繰り広げられます。
 すべてアドリブで台本のない芝居ですが、役者たちは1日中「おはじきうり」「念仏あめうり」「手まりうり」「大福引き」などの芸商人になりきっており、客との会話はもちろん、休憩中の仲間同士の会話もすべて江戸時代の京言葉を使っています。それもそのはず、長田学舎の俳優たちは、この「町かどの藝能」に関して、それぞれが演じる芸商人のことを「役」ではく「命」と呼んで、つくりものではないほんものの人物として再現するための稽古を普段から続けているのです。
 磨き抜かれた芸を観ることはもちろん、「おはようさんですぅ」「おおきにぃ」「よろしゅうおたのもうしますぅ」などという生き生きとした言葉を聞いているだけでも、日本人が本来持っている日本人らしい良心を再確認させてくれる世界です。
ところ 般若林
    (演劇塾長田学舎/上京区相国寺北門前下ノ町)
電話 075-211-0138(演劇塾長田学舎)
交通 地下鉄烏丸線「今出川駅」徒歩約5分
    市バス「烏丸中前」徒歩約2分
     
◎町かどの藝能
10月20日(日)まで 10:30〜16:00
料金:大人2000円、子ども1000円