2002年10月29日 午後8時配信
余香祭
北野天満宮

「去年の今夜 清涼に侍(じ)す
 秋思(しゅうし)の詩篇 独り腸を断つ
 恩賜の御衣(ぎょい) 今 茲(ここ)に在り
 捧持(ほうじ)して 毎日 余香(よこう)を拝す」

 これは昌泰4年(901)の9月に菅原道真が大宰府で詠んだ『重陽後の一日』と呼ばれる詩。これは、1年前の「重陽の宴」(9月9日の節句)で、清涼殿に呼ばれて秋の詩を詠んだ際、醍醐天皇がその詩を絶賛し、褒美に衣を授かったことを懐かしむ詩篇で、この故事にちなんだ余香祭(よこうさい)が、今日29日、道真を祀る北野天満宮で営まれました。
 「秋思の詩篇 独り腸を断つ」とは、この時、道真は宮中にあってすでに疎外感を感じており、秋から冬に向かうはかなさを我が身に重ねて、その憂憤を断腸の思いで詩に託したことを表しています。余香祭は、御衣に残った香のかおりに、都での栄華と、追放された無念さを追想した道真を偲ぶ儀式で、久しく途絶えていたものを大正8年(1919)10月29日(往時の9月9日を新暦に換算)に再興し、毎年、この日に営まれるようになりました。
 午後2時から、神官や綾小路流の歌人らは、菊花が供えられた本殿に入り、神事の後、全国より集まった数百首から選ばれた献詠の披露式が行われました。
ところ 北野天満宮 (上京区馬喰町)
交通 市バス「北野天満宮前」すぐ
    京福電鉄北野線「北野白梅町駅」から
    今出川通を東へ徒歩約5分
HP http://www.kitanotenmangu.or.jp/