2002年11月8日 午後9時配信
吉川観方と京都文化
京都文化博物館

 京都出身の吉川観方(かんぽう:1894〜1979)は、一般にはそれほどその名を知られた人物ではないはずです。画家であり、風俗研究家であった観方は、映画全盛期の松竹合名会社の舞台意匠顧問としても活躍した人物ですが、なによりも彼の名を後世に残したのは、個人としては前人未踏としか表現しようのない風俗資料収集家としての偉業でした。
 彼が生涯にわたって集めた約3万点に及ぶ日本最大級の風俗収集品の中から、特に京都の伝統文化に関わりの深いもの約200点を集め、吉川観方という人物の全貌に迫ろうという展覧会「吉川観方と京都文化」が、京都文化博物館で開催中です。同展では、京都府立総合資料館や、奈良県立美術館、福岡市博物館などが、現在、収蔵している吉川コレクションが再び京都に集められ、実力派だった画家としての足跡から、ある意味で偏執的とまでいえる蒐集ぶりやその活用法を4つのコーナーに分けて展開しています。
 特に、江戸時代の風俗をリアルに伝えた絵画や、衣装、装身具などが多く、宮中の皇族から遊女の衣装までが幅広く揃えられており、当時の日本文化を知ることができる興味深い資料となっています。観方は、集めた衣装や装身具をモデルに身につけさせ、写真としても残していたほか、梶山緋佐子や伊藤小坡に日本画を描く際の資料を貸し出していました。同展では、これらの写真や作品が資料の現物と並べて展示されており、わかりやすくて面白いレイアウトになっています。あまりに膨大な数のコレクションのため、来週12日からは一部の展示品が入れ替えられるとのこと。まだの方は、ぜひ。前半でご覧になった方も、もう一度、京都文化博物館へ足をお運びください。
ところ 京都文化博物館 4階特別展示室
    (中京区三条高倉)
電話 075‐222‐0888
交通 地下鉄「烏丸御池駅」より東へ徒歩約3分
    阪急京都線「烏丸駅」徒歩約7分
    市バス「堺町御池」徒歩約2分
HP http://web.kyoto-inet.or.jp/org/bunpaku/
     
◎日本最大の風俗収集品 吉川観方と京都文化
12月1日(日)まで 10:00〜18:00(入場17:30まで)
月曜日休館
入場料:一般1000円、大高生700円、中小生400円