京の街角新発見
京の“へそ”京の中心



 前回、京の中心として「道路元標の話を致しましたが、生け花のご本尊「池ノ方」発祥の地、六角堂頂法寺に[へそ石]と呼ばれる六角形の石がございます。直径45センチ程度で、一見石燈籠の台石に似ており、そのまん中に10センチ足らずの穴があるのです。
 何の目的で使用したのか、未だ解明されず、いつの頃からかこれが京の都の中心をあらわすものとなったようです。
 この石は六角堂の礎石であるとか、石燈籠の台石だとか諸説紛々にあるものの来た不順、京都の中心を示すものとして[へそ石]と呼ぶようになった次第です。
 昔は頂法寺の門前にあったと伝えられており、その後交通の邪魔になるというので、境内に移され、さらに現代の場所、つまり堂の正面に置かれたと云うのである。
 信仰の対象なり由緒あるものとしては余りにも移動が激しい。大した石でもないのかもしれない。
 しかし今となっては京の中心の[へそ石]として鎮座しているからオモシロイ。
 そこで近くにある料理屋では[へそ石鍋料理]なるものが名物となっている。
 次回は、果たして京都中心はへそ石の地かどうか検証してみたいと思います。