関西プレスクラブ便り


上方落語協会会長の桂三枝さん講演



 上方落語協会会長の桂三枝さんが、11月7日午後、大阪市北区のホテルで記者会見し、落語の展望やその現況について語りました。
 その要旨は、

「落語の歴史は結構古いもので、200年前から続いていると云われます。当時は座敷噺といわれ、音楽付きと申しますか、音付きのものでした。それが今日の落語の型となったのは桂文治という人物が活躍した明治35年頃のようです。
 私はこれを第一次落語ブームと呼んでいます。その後大正に入り俄然漫才ブームとなり、これが相当長く続くのです。
 それにテレビが出て参りますが、今と違ってチャンネル権は父親など大人が握っておりまして野球やとかニュースや云うて子どもはテレビからはずされ必然的にラジオに流れてきました。このラジオが火付け役となって落語ブームが興って参ります。これが1970年代で、私はこのブームを第二次ブームと見ています。
 そして今日、第三次落語ブームとなっていると見ています。しかし、このブームはちょっと内容が異質で、大人の人たちが多いのですが、先程申したラジオで落語を聞いた70年代の子どもが大人になって帰ってきたものだと考えているのです。
 私は創作落語に手を出し、何とか落語ブームを継続させ、若者の育成に力を注ぎたいと願っていますが、ビジュアルな漫才と比べて落語の方は限界があり、やはり電波だけに頼らない、生で落語を聞いていただく常設の寄席が必要と思い、各方面の協力を得てやっと常設の寄席の建設のメドができました。
 来年の6月頃には大阪にオープン出来そうです。これには金かけていまっせー」



追記
 上方落語協会年頭の定席「天満天神繁昌亭」が大阪市北区の大阪天満宮境内北隣に8月完成見通しとなりました。9月には正式オープンの予定で、募金目標だった1億3000万円をすでに達成しましたが、諸費用のため引き続き募っていくとのことです。


追記2
 大阪・天満商店街の界隈に寄席囃子が流れる。かねてから建設を進めていた落語専門の定席「天満天神繁昌亭」が完成。いよいよ9月15日から定席寄席が始まります。
 そこでオープン前の雰囲気を取材してきました。
 
 この定席の専門亭は約80年ぶりとのことで近所の商店街には、のぼりや記念大安売りのポスターや看板が立ち並び、その期待の大きさが分ると云うものです。
 
 その証拠に、商店街をふくめ市民や企業の寄付2億円が集められ建設されただけに関係者の感慨もひとしおです。
 250席の繁昌亭の天井には協賛者の名前をいれた提灯3,500個が飾られ、独特の雰囲気をかもし出しています。
 
 11日は地元商店街会長をつとめ、定席亭の建設に奔走した土井年樹さん、オープン後、初の独演会に出演する桂坊枝さん、それに繁昌亭の運営に携わる岩本靖夫さんの3人が建設までの苦労話や今後の展開についてその希望などを語っていました。
 
 公演などの問い合わせは、繁昌亭(電話 06-6352-4874)へ
(村田)