関西プレスクラブ便り


嘉田由紀子滋賀県知事
「もったいない県政」をめざして


 滋賀県知事の嘉田由紀子さんが8月23日午後、大阪市北区のホテルで講演し、「もったいない県政」をめざして〜近畿圏における琵琶湖の役割とこれからの県政〜をテーマにソフトタッチながら熱っぽく語りました。
 その要旨は次の通りです。
「皆さんは今、話題となっている新幹線の問題を大きく取り上げられていますが、滋賀県は、この問題だけではなく「びわ湖」という大きく大事な問題をかかえているのです。
 私は埼玉県出身ですが、中学生時代の修学旅行で訪れた「びわ湖」の美しさに感動し、将来びわ湖周辺に住みたいと思いました。
 この事がびわ湖の環境問題に取り組むことになった原点となっています。さらに大学時代に多くの先輩学者の「文明とは何か」という問いに対し大きな教示を受け、水と人との関わりを更に研究しようと思いたち、びわ湖の環境問題研究に拍車がかかったのです。
 びわ湖をとりまく市町村や河川の現状など直接調査したり地域住民の人達の話を聞いて参りました。その中で痛切に感じたのが「水」に対する認識が大変化したことです。
 私は通常水道水を飲んでいます。平均すれば水道水を飲まない人が65%に上っています。これが現状なのです。
 びわ湖の水で生活しておられる近畿一円の人達は1,400万人になるのです。下流域を洪水から守るため水位を下げています。特に夏場に水位を下げると魚の産卵場所が失われる。知事として悩むところで水位を上げてみてはとも思っているが今後の課題です。上下流域で一緒に考えていくべき問題でしょう。
 私が知事選に出馬した動機は前述したことにつきます。
 地方自治の問題は、政党政治の枠を超え近代文明に起因する問題の本質であって、党を超えて解決すべきというのが私の持論です。
 私が提起している「もったいない」は3つの要素から成り立っています。
 1つは税金の無駄づかい、2つは自然の恵みを壊してはいけない。3つは子どもや若者が自ら育つ力をそこなってはいけない。以上3点です。
 新幹線問題は、財政問題なのです。
 私はこの3点をふまえ現場主義をつらぬいて今後の県政を推めて参ります。」
 この様に環境問題を含め今後の県政に対する意気込みを語りました。
(村田)