関西プレスクラブ便り

北京五輪男子400mリレー銅メダルリスト朝原宣治さん
「北京オリンピックへの道」と題してスピーチ

北京オリンピックの男子400メートルリレーで銅メダルを獲得した朝原宣治さんが11月21日午後、大阪市北区のホテルで「北京オリンピックへの道」と題してスピーチしました。その要旨は
「小学校時代は運動会などでは速く、その他水泳やサッカーなどに興じていた。中学に入りハンドボールに熱中したが、厳しい指導で悲鳴を上げる程だったが、その中でチームワークの必要を学び、ジャンプの能力を身につけることが出来、これが後年の走り幅跳びに好影響を与えたと思う。ただ余りにも厳しい指導だったので高校では楽しい部活動をしたいと思い、サッカー部に入った。これぞ求め続けたクラブだと思ったものだ。そこで、陸上の恩師と仰ぐことになった指導者に会った。
 この人は陸上の楽しさを教えてくれ、少々の失敗にも「死ぬ訳じゃない」との教えであった。
 そして同志社大学に入る訳ですがこれも本格的に陸上をやるなら東京の大学へ進学するのが本筋だし良き先輩、指導者が多いわけですから。
 しかし、寮生活が嫌で自宅から通える同志社大学に入った。陸上についてはその程度の考えだった。3回生の折、国体で100メートルで日本記録を出したが世界へ出て戦うなどとは考えてもいなかった。そこで転機となったのがドイツ留学やアメリカ留学でした。
 これから世界で戦う、挑戦しようと云う動機付けが生まれた。
 その後アテネの世界陸上、シドニーのオリンピック出場へと続いていくのである。この間人生において孤独感や自分を見つめる機会となり、今回の北京オリンピック挑戦へとつながった。
 8月15日の100メートル予選が始まるが私は8月11日に北京に入る迄調整を続けた。他の選手もそれぞれ故障をかかえており、その調整は難しく大変な不安をかかえていた。
 2次予選で100メートルは終わるが4人で合わせて400メートルは上手く行くんではないかとの感触はあった。それぞれ違った個性の持ち主4人が1体になった事だ。
 バトンタッチも日本人の国民性の表れで、アメリカ人にはかなり難しいと思う。それぞれが王者であり、その都度メンバーが替ってくるのでバトンでの1体化は難しいと思う。今後我が国の挑戦は大変だと思うがチームワークの良さを上手く生かして行けば好成績は残せると思う。北京オリンピックで失ったバトンも見つかり12月15日東京で授与式がある。これは自分1人で掴んだものではなく4人のものだし、国の物だと思っている。したがってしかるべき施設にて公開して欲しい。わが国には陸上記念館がありません。
 今後の指導者としての道を歩むとしても選手のモチベーションが一番肝要で、その辺を大事にしていきたい。」
北京五輪三冠のウサイン・ボルト選手などジャマイカの現状、女子も強い。この国に学ぶ面はあるのか?なぜ強いのかの質問に対し、
「体格面が違うし、常日頃ジャマイカ国外で活躍している選手が多いし、坂道の多い国土も好影響していると思う。これからの日本の子供は坂道を駆けっこする機会が少ないことを心配している。ただ、ウサイン・ボルト選手の記録9秒69や9秒7台など現在の私には感覚的に理解出来ない。9秒8〜9台は解るのだが…。」
と語り、質問の核心には触れなかった。
(村田)