関西プレスクラブ便り

京都大学総長 松本紘さん講演
京都大学総長の松本紘さんが12月25日大阪市北区のホテルで講演しました。タイトルは「時空と大学〜京都大学のポジション」でタイトル名にしては軽妙な口調でスピーチしました。その要旨は
「食の問題をふくめ、地球温暖化、環境破壊、資源の枯渇などにより世界中で生き残りをかけた競争がさらに激化してくることが確実で、これを学問的に定義付けた「生存学」なるものが必要となってくると思っている。
 大学は強い者だけが生き残るという発想ではなく人類みなが生き残るためのモデルを世界に示す必要があると言うか、示す義務があると信じている。この事を強調しておきたいし大学は「生存学」を真剣に確立すべきだ。また京都大学は、来春に全学的な海外戦略拠点をロンドンに設けます。
 これは欧州の大学や企業との共同研究や人材交流を進め国際競争力を高める必要があると考えるからです。計画ではロンドン市内に事務所を置き、専門スタッフを配置する。そして、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、パリ大学など欧州の有力大学や企業と連携交渉を進めていきたい。
 京都大学は、すでに中国、アフリカ、東南アジアなど海外32ヶ所に拠点を持っているが、いづれも学部や研究所が研究のために設けたもので大学全体が中心となって拠点づくりを行い、世界中の大学で人材確保の国際競争に遅れをとってはいけない。
 その意味では京都大学は遅れているとの認識をもっている。これも全て「生存学」の確立につながるものです。」
(村田)