「百ます計算」の実践で知られる立命館小学校副校長の陰山英男さんが3月24日午後大阪市北区のホテルで「教育改革の真の課題」と題して講演しました。陰山さんは現在大阪府教育委員会の委員でもあります。講演の要旨は
- 「学力の低下の原因を詰め込み教育や教師の責任にする風潮がありますが、現場を預かる者の一人として残念に思っている。むしろ、生徒の寝不足や食生活の乱れなどの生活習慣の悪化が脳や身体の機能の低下に結びついていると思っている。私の実践で一番知られているのは「百ます計算」だと思いますが、このシンプルなプリントで私が得た最大の成果は「教育界で信じられてきた常識が、実は全然事実に即していない、本当ではない」という事実に気がついたことです。
ある教師の勉強会に行って「百ます計算」に出会ったのです。これを実践するに当たって子供たちはしんどいだろう、うまくいかなかったら色々批判も出てくるだろうと悩みました。ところが実施してみると子供たちは大喜びでしたし、もっとやりたいと騒ぎだす始末です。これで子供たちの表情が一変したことを実感したものですその後色々型を変えても基本はシンプルな「百ます計算」です。つまり徹底した反復学習がカギであるとの確信をもったのです。
これをさらに本物にするには、子供たちの生活習慣を変えること、つまり「早寝早起き朝ごはん」こそ大切で、朝食の習慣や、テレビの視聴時間、睡眠時間の改善こそが学力向上につながるという明確なデーターがあります。一般家庭での生活習慣の見直しこそが学力低下防止の基本なのです。ですから、教育委員を務める大阪府の学力向上策についても小中学校で現在、各家庭に生活習慣の改善を呼びかけると同時に漢字や計算の反復学習に取り組んでいます。これによって習ったことが身につけば、子供たちは自信を持ち一気に学力は伸びるものです。
(村田)
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