東大阪宇宙開発協同組合副理事長 杉本日出夫さん講演

東大阪宇宙開発協同組合副理事長の杉本日出夫さんが「東大阪発、人工衛星が宇宙へ」と題して4月14日午後、大阪市北区のホテルで講演しました。通称「まいど1号」成功までの苦労話をユーモアたっぷりに話しました。その要旨は
- 「09年1月23日、待ちにまった「まいど1号」が打ち上げられました。これは7年前、大阪の製造業は不況が深刻化し、産業の空洞化は進み、後継者不足に悩み、東大阪地区は元気が有りませんでした。そこで飛び出したのが若者が夢を持ち元気な街にしようとの試み。衛星を造り、宇宙に打ち上げようと云うことでした。
衛星の"エ"の字も分からず、もちろん宇宙のことなど全く門外漢です。何をホラ吹いてるんやと云うのが本音でした。しかし、ウソも100回申しますと本当になると申しますが、毎日毎日議論していますとその気になるものです。
やがてマスコミにも取り上げられ計画だけが一人歩きして行きますが、その実、内部では具体策は何も出てきません。やろう!やろう!の合唱だけです。名前だけのプロジェクトは存在するものの素人集団です。なんら物事は進みません。
しかし一人ひとりが専門家を訪ねたり、外部から知恵を貸してくれる人が出てきたりしまして、ふとするとうまく行くかもしれないとメンバーが感じ始めました。
衛星のカバー造り、アンテナ担当、雷センサーの研究、無線機の制作とそれぞれの担当が着実に動き出しました。
そして今年1月23日本当に小型衛星が宇宙に向けて飛んで行ったのです。大きさ50p角の立方体がGPS付きで上空660キロの軌道を回っていることになりました。1個のカメラが偶然にも日本列島を撮ってくれました。GPS付ですから現在どの辺の上空にいるのか大体分かります。
今後は第2号、第3号を製作し、徐々に大型化を図っていきたいと動いています。中には定額給付金を使ってくれと申し出てこられました。記者の皆さんも協力してくれませんか…?
このプロジェクトを通じて感じた事は、もの造りから人創り、組織作りそして未来づくりが大事だということです。物が出来ても人材があっても将来これを如何に活かして行くかを示せば若者は集まり、町工場のオッチャンも後継者不足に悩むことはないのです。現に私の工場((株)大日電子)にも5人の新人が入社しました。
今後の組織拡大としては財界や学者の協力を得て、KASPL(特定非営利活動法人)を立ち上げどんどん前進して参ります。」
(村田)
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