東京大学先端技術研究センター教授で政治問題に詳しい御厨貴さんが、9月8日午後大阪市北区のホテルで「民主党政権のゆくえ」と題して講演しました。
泣いても笑っても14日民主党代表が決まる訳で、これまで御厨さんが見てきた民主党政権の実体にふれウィットに富んだ話しとなりました。
その要旨は、
- 「
小学生たちと政治について語ることも多くなってきましたが、彼等から出る質問の中で多いのが、次から次と首相が代わることへの理由を聞かれることです。返答するのに本当に困ってしまいます。マスコミ報道や親との会話等の中で彼等なりに疑問を持っているのです。
自民党政権時代は経済状況もよく、また、派閥そのものが旨く機能して良くも悪くも政権担当が続き、官僚をも旨く使いこなしてきました。処が、政権交代で民主党がその座について直ちに政治主導だの官僚排除などと言ってもそう簡単に出来るものではない。「政治とカネ」の問題や沖縄の米軍普天間飛行場の移設問題にしても政権担当能力のなさを露呈した格好です。
政府関連の委員会に出ても本会では大臣自ら音頭をとり会議を進行させて結論を出している。その結論たるや実施するではなく、努力するで終わってしまいます。そして、その後の分科会で官僚主導の進行で本音が出てきたりして実施しましようと言うことになります。
建前と本音を使い分けている型となってしまいます。どうも現在の民主党は党内調整や段取りが下手で、大嫌いではないかとも思われます。それで政治が出来るのか、根本的疑問を持っていますし、その状況でこの一年政治をやってきたとの印象を強くしています。
現在争われている代表選についても6日後には分かることですが、小沢氏が菅氏に勝ったとすれば、挙党体制は出来るでしよう。僅差で負ければ菅政権に対し徹底的に足を引っぱり、大差で負ければ党を割って出ていくでしよう
」
2010.9.10 村田
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