関西プレスクラブ便り

元東京特捜検事 高井康行さん講演

 元東京特捜検事で現在弁護士の高井康行さんが11月8日午後、大阪市北区のホテルで「新しい権力機関・検察審査会」と題してスピーチしました。高井さんは検事時代は岐阜県庁汚職事件、リクルート事件などを担当。弁護士としてライブドア事件の主任弁護士として知られています。
 スピーチの要旨は、

「 政府司法制度改革推進本部の検討会メンバーとして検察審査会の改正にかかわったが、強制起訴するかどうかの判断する権限を検審に与えられた結果国民の目線という名のもとに検察より低い基準で起訴しており、新たな権力機関となった感を強くしている。(暗に小沢氏問題をも指すことか…。)それだけに審査の手法や透明性をさらに高めていく必要があると思う。  また、厚生労働省元局長の村木厚子さんの無罪が確定した偽の障害者団体・証明書発行事件についても大阪地検が村木さんを無実と知りながら起訴し、組織ぐるみ公判を続けた可能性もあって、最高検察庁はこれを徹底的に調べるべきだ。
 改ざんされたとされるフロッピーディスクも前のデータが検察側の構図と異なっていた時点で検察官ならすぐ無実と解るはずで、他の証拠で村木さんを有罪と証明できると考える事自体、おかしい。
 この改ざん事件は表面にできた“おでき”みたいなものでもっと大きな問題が潜んでいるかもしれないと思っている。
 また、取り調べ室での可視化問題については、個人的意見をのべるとすれば反対だ。
 可視化すれば取り調べの手法が流れたり、取り調べを受ける側も可視化を前提としてあらゆる手を打つことも可能で事実の解明に支障をきたす恐れがあると思うからだ」

筆者質問
「大阪地検特捜部の問題に話しはもどるが、現在の元副部長の佐賀元明被告に対し100人近い弁護団が組織されたと聞く。  これは検事側や被告側の双方にとってどんなメリット、デメリットがあるかお聞きしたい」。

高井さん
「100人もの大弁護団がいたとしても膨大な公判資料を全員が見る訳でもなく、また全員で対策を練る事など実際不可能で意味ないとの理解をしている。」

筆者としては、佐賀元明被告に対し同僚なり後輩なりからの人望があり、さらに裁判官の心証を良くする効果を期待しているとの印象を受けているが、高井さんからはその言葉を引き出したかった。つまり不発に終わった次第。

2010.11.8 村田