関西プレスクラブ便り

関西大学教授の河田恵昭さん講演

 地震研究の第一人者で関西大学教授の河田恵昭さんが1月11日大阪市内で開かれたプレスクラブの定例会で「東日本大震災を経験して南海地震と津波を見直す」と題して講演しました。
その要旨は、
「 マグニチュード9.0の今回の地震は過去数百年の地震から見れば想定出来なかった規模でした。今後同様の規模の地震が西日本でも起こる可能性はあると覚悟すべきです。
 例えばマグニチュード8.4の南海地震が起こったとすれば津波で大阪府の広範囲が浸水して交通寸断され長期間の停電が発生します。世界一広い地下街と称される梅田地下街など完全に水没すると考えるべきです。また、淀川などの河川を津波が逆流して枚方付近まで浸水すると想定すべきです。
 その意味では近畿圏はすぐに陸の孤島になるのです。東日本では従来のハザードマップ(災害予測地図)が安心感を呼び住民の避難が遅れたと見ています。したがって、津波対策には、あらゆる可能性を考慮すべきです。今後予測される東海、東南海、南海の3連動地震についても静岡県から四国へ、そして九州の東側まで拡大する太平洋での地震を含めて「4連動地震」をも想定して対策をたてるべきです。
 それには関西連合のように各自治体の連携が必要で東日本地震では岩手、宮城、福島の各県の連携がとれなかったし今でも充分な連携態勢はとれていません。真剣に早く対策を練るべきです。 」

 この後、河田教授は急遽東京出張とのことで質問の時間がとれず講演としては極めて消化不良の感を強くしました。如何なる対策を早くとるべきか専門家としての発言もなく、ただ注意すべしで終わりました。例えば徳島県は独自の津波想定として県南部の美波町阿部(あぶ)では最大20メートル、海陽町の宍喰(ししくい)では19メートルとしています。7階建のビルまで水没する計算になります。しかも、10分や20分内で津波が来るとすれば避難不可能との計算になります。各地に20メートル以上の避難タワーの建設が必要となってきます。  結局、東北地区で古くから伝承されている「津軽てんでんこ」ということか。つまり自分勝手に逃げるしかないということです。宮崎県の島山町での訓練では高台に避難では1人で15分から20分。お年寄りを車椅子で行動すると40分必要としたとのこと。河田教授も14日あるテレビ局の取材に応じ、5分から10分で逃げるとすれば1人ひとりで避難するに如かずといった意味の発言をされていましたネ。

2012.1.11(村田)