関西経済連合会会長で、関西電力会長の森詳介さんが4月20日午後大阪市内で
「関西をおもしろい地域へ」と題して講演をしました。
テーマは、
「
エネルギー問題で国政レベルで与野議論中ですが、こっちで考えて頂きたいのは、国の税収40億、予算は90億と全く歪となっています。経済力についても新興国の追い上げが厳しくなっております。明治以降、西欧に追いつけ、追い越せと官民あげて努力してきました。今こそ、エネルギー問題を解決して、産業をさらに活性化させ、名実ともに豊かな国にすべきです。これには国の指導だけではなく、新しい発想をもって各分野で持続性を持った社会への転換が必要です。
江戸時代までは、地方独自の政策を各藩がとってきました。これが現在いわれ
る地域主権の考え方です。地域が独自性をだして、集合体を作るべきで、関西で
は関西広域連合を作り、関西独自のカラーを出していこうとしているのです。こ
れが面白く、心惹かれる関西を造ろうとする発想の原点です。関西の各地とも個
性豊かな特殊性を持っています。
大阪は商業とお笑いというエンターテイメント、京都の伝統文化、神戸のハイ
カラ文化など、そのうえ多くの企業や大学・研究機関が互いに連携出来る下地が
あります。
関経連では、こうした潜在能力を活かした産業立国、国際貿易立国、観光文化
立国の拠点造りを目指します。さらに、医療の面では、核酸を人工的につくって、病気を治す研究や大学と企業が共同で新薬の開発を進める事業を支援していきます。
アジアとの取り組みの中でも、特に日中友好40年を記念して中国の環境問題にも積極的に協力していきます。浄水プラント、ゴミ発電などの技術は関西の得意とする分野です。また、最後の一等地と言われる大阪梅田の北ヤードの開発は企業や研究機関の誘致を含めニューヨークのセントラルパークにならい「緑の広場」構想など各団体や行政にも提案しており、誰もが楽しめる場所としたい
」
原稿の棒読みと同時に、これまで報道された内容ばかりで新鮮味に欠け、講演タイトルに副った具体性もなく、質問する気もなくなりました。
ただ、関西経済同友会が提言している「文化経済大国」論には目を惹くものがあります。関西を文化経済活動の拠点とするため、皇室の一部を京都に戻し、関西を「心都」とする。また、「もったいない」「勤勉」といった日本人の精神性やものづくり力を「和魂和才」と定義、省エネ製品や宅配サービスなどの文化を海外に受け入れてもらう。そして日本製品の売り込みや日本への観光客の増加を狙っていく。さらに企業の海外駐在員や日本文化を学ぶ外国人を「和使(わのつかい)」と呼び、文化を発信してもらうとしています。
2012.4.20(村田)
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