関西プレスクラブ便り

宮城県村井嘉浩知事が講演

宮城県の村井嘉浩知事が5月17日大阪市内で講演。 「東日本大震災から1年、宮城県の復旧・復興の取組」がテーマです。

要旨
「  震災による県内の犠牲者は死者は9,544人、行方不明者は1,688人です。ところが直接地震による死者は推定で20名。如何に津波が想定を超えて大きかったか分かります。これに対応する出来なかったことが悔しく、反省しています。
 あれほどの津波がくるのであればどんな堤防や防波堤でも阻止できないことが明確になりました。そこで、今後の住居と職場(商店、工場、水産関係など)とを分離し、高台に居住し、仕事場は平地として、その上で避難ルートの確立を目指していきます。
今では必需品としてのケータイですが、災害時には掛かりづらく、PHSでの通話が通じやすかったこともあり、災害時に向けて一考すべきことです。と同時に第二次避難所の設定も周知にしておくことも大事です。さらに緊急物資の確保のため物流倉庫を内陸部に設置しておくことも重要です。 また、全国から多くのボランティアの方々が応援に見え、一時混乱しましたが、現在では、これらの人々に対応する地元ボランティア組織も出来ました。今後もボランティアの方々の応援、協力をお願いします。
 震災がれきの県外処理についても手を挙げていただいているところにはお願いしつつ出来るだけ近場で処理できるよう国には申し上げています。当初がれきとして1,800万トンと試算していましたが、沖に流されたものを引きますと、かなり減り1,600万トン近くになると見ており、その上、県内22基の仮設焼却炉が順次稼働し、当初より早く処理出来るようになってきました。
 復興の主役は、行政は勿論、市民やNPO、企業が中心となるべきだと思っていますし、今後もその線にそって行動していきます。 その上で県外や国にお願いするのが筋だと考えます。報道関係の皆さんもこの事を理解していただき、紙面や電波でもって宣伝され、さらなる応援をお願いします 」

 これまで映像等で見聞きする限り硬い表情が多いが、この講演では大阪出身らしくユーモアを交えての表情と同時にポイントを要領よく抑え熱のこもった話しであった。 困難に直面した時のリーダーはそうあるべきです。硬軟併せもつ器量が必要となるのです。 関係者80名を超えるなど関心が高かった講演ですが、朝日新聞は実質3行程度の記事でした。 戦中戦後を通じ、愛読者として残念で理解できない。残念だ。 6名が出席していましたが…。

「筆者質問」
時事川柳に「国会眠って 日本動かない」とあります。結論賛成各論反対のお国柄です。今日の話しは復興に向けてのロードマップの面が多かったが各論としてお伺いします。 小生も幾度となく現地に入っていますが、がれきの撤去も重機が入ない地域は人力しかないわけですし、仮設住宅での生活は大変です。中でも老人を含め弱者の支援について基本は金銭面の問題です。岩手、福島、宮城の三県共通の買い物クーポン券などの配布で支援出来ないものか。 財源の問題はあるものの…。

「国に対しては色々注文をつけています。震災のことを忘れかけておられるのではないかと危惧しています。地元で出来ることは地元で努力し甘える考えはありません。」

(当日夜のNHKニュースでも知事は事前録画で同じことを仰言っていた)クーポン券等の発想は当然持ち合わせており、国や地元で支援していますが無論十分ではありません。今後、経緯を見て配慮していきたい。

2012.5.17(村田)