(一)
 京都一の賑わいを見せる四条通。その四条通、京情緒が息づく鴨川と八坂神社を両端とする商店街が祇園商店街だ。商店街の歴史は古く、江戸幕府により茶屋営業の正式許可が出ると、歌舞・芸能の地として発展。明治に入ると四条通での茶屋営業は禁止され、代わって今日のような商店街が形成されていった。

 日本三大祭の一つ祇園祭は、八坂神社の祭礼であり、祇園商店街はその参道でもある。朱塗りの楼門は、西端の鴨川からも遠望することができ、古都の商店街であることを主張しているかのようだ。また、アーケードから下がる街灯、店構えなどいたるところで京を感じることができ、観光客が多いのもうなずける。

八坂神社(左)
平安建都の約150年前に、スサノヲノミコトの神霊をこの地に祀ったことにはじまる。日本各地から広く崇敬を集め、現在も約3千の分社が日本各地にある。

目疾(めやみ)地蔵
(右)
寺名は仲源寺といい、地蔵菩薩のお告げにより洪水が防がれたので「雨止地蔵」と名付けられたと伝わる。「雨止」が転じて「目疾」になり、眼病の治療に霊験があるとされている。

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