(二)

 商店街の東側には日本最古の劇場、南座がある。京都に住む人にも意外に知られていないのが、北座の存在。現在、残念ながらその姿を見ることはできないが、確かに北座は存在していた。かつて四条河原には7つの芝居小屋あったが、やがて南側芝居、北側東芝居、北側西芝居の3座となり、その後北側西座が大火で焼失したため、南側芝居と北側東芝居の2座が残る。明治に入って南座、北座と呼ばれるようになったが、やがて北座は廃座となり、南座だけが住時の面影を伝えている。
 用途は松竹新喜劇からミュージカルと様々。しかし、まねきが掲げられる歌舞技顔見世が、一年の中で南座が最も輝くとき。多くの人で賑わう師走の風物詩となっている。

 景観を大切にする京都らしいガードレールのつくりに感心し、年月を経て重厚さを増した看板を眺めながら歩を進めると、誰もがあることに気付く。飲食店や土産物、京菓子、京漬物などの有名店が立ち並ぶ中、和装用品の店が目につくのだ。実は舞妓さんも愛用の店々なのだが、その職人技や和風小物のかわいらしさから、地元でも人気が高い。

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