(一)
 京阪伏見桃山駅で電車をおり、比較的大きな大手筋商店街、納屋町商店街を抜ける。するとそこに常連さんでなくても、通りがかりに「ちょっと歩いてみたい」と思わせる不思議な引力を持った竜馬通り商店街が現れる。今歩いて来た2つの商店街とはちがい、その商店街にはアーケードがなく、石畳の小路は人がやっとすれ違えるほどの幅しかない。
 しかし、見上げると空が見え、狭い道幅は両側の店先を眺めるのにちょうどいい。そういったことが、竜馬通り商店街に心地よさを感じる理由なのかもしれない。一度「アーケードをつけたい」という話もあったそうだが、道幅が狭すぎて消防法で許可がおりなかったという。結果としては、商店街の予想に反して「アーケードがなくて懐かしい気がする」と観光客には好評だ。

蓬莱橋(左)
宇治川派流にかかるこの橋から川に沿って東へ歩くと、伏見らしい酒蔵が続く風景に出会える。

龍馬館(右)
木造二階建てで、一階部分が売り場となり、竜馬のブロンズ像や灰皿、携帯ストラップなど様々なグッズを売り出している。

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